マルハバン!
只今帰国中のビートルマニアです。
中東での生活が長くなると日本の生活から逆カルチャーショックを受けることがありますが、今回はアラブ人夫のボヤキのようなものをいくつかキャッチしたのでこちらでシェアしようと思います。
まず、日本の国旗「日の丸」について。
アラブ人夫は、日本に来て国旗である日の丸を目にすることが殆どないことを不思議がっていました。
確かにクウェートで生活していると、日常の至る所に国旗が掲揚されています。
中には日に焼けてボロボロなのもありますが(これは大問題)建国記念日が近づくとほとんどのクウェート人の家でクウェートの国旗が飾られます。
かつてイラクに支配されていた時は、クウェート国旗の掲揚を禁止されていたこともあり、姑世代のクウェート国旗への愛着は大きいようです。
夫がこれまでの数週間の滞在で数えた日の丸の数は3つだけでした。
日本では祝日ですら玄関に国旗を掲げる家庭は少なくなってきていますね。
寂しい気もします。
次に夫が驚いていたのは、総合病院に行った時のこと。
脚を引きづりながら看護師に向こうの部屋でレントゲンを撮ってきてといわれ、院内を忙しそうに移動する高齢者を見た時でした。
脚が不自由そうだけど、車椅子は使ってないね。
こんなに高齢なのに、彼に付き沿う家族はいないのか?
彼の住むクウェートでは、お年寄りが一人で病院に行くのは大変珍しいことで、普段目にしません。
必ず誰かが付き添います。
たくさんいる兄弟の誰かか、姪っ子か、孫の誰かか、ドライバーやメイドも一緒に行くこともあります。
そして高齢者は、公立の病院では受付を済ませると優先的に通されます。
待合室で長時間待たせられることはほぼありません。(医者が不在の場合を除く)
多くの人は脚を引きずってる状態なら無理をせず車椅子を使いますが、これは押してくれる人がいるからなのかなと思います。
そんなことを聞いていると、私の94歳の祖父が亡くなった時に病院の看護師が
「おじいちゃんは幸せね〜いつも家族が側にいてくれて。一人っきりの高齢者は多いんですよ」
と昏睡状態でベッドに横たわる祖父の横にいた私に言ったのを思い出しました。
私の知る限り、クウェートに老人ホームはありません。
クウェートは核家族が主流ではないので、高齢の親を一人暮らしさせることもありません。
毎週おじいちゃんおばあちゃんを見に親族が集まり、定期的にギャザリングをする文化があるので高齢者は孤独になることもなく、
必要な身の回りの世話はたくさんいる子どもたちや、姪っ子や甥っ子、高齢者ケアのために雇われた住み込みの看護師やメイドが診ます。
金銭的な余裕があるから可能なこともありますが、恐らくこちらの人たちは古くからお金がなくてもこうやって家族で高齢者の世話をするのが当たり前だと認識し実行していると思います。
それがイスラムの教えであることが大きな要因だと考えられます。
子が親に口答えするのはタブーで、激しい反抗期もないアラブのイスラム教徒たち。
アッラーの教えは何百年経った今も信徒たちに受け継がれているのでした。
最後に夫の驚きではありませんが私の驚きとして、相変わらず夫は旅行中でも毎日自分の母親と連絡をとって近況を報告しあっています。
旅行中は毎日のビデオ電話が一般的な私の夫の家族が、今回の旅行では数回しかビデオ電話をしていないのは驚きでした。笑
姑は例年なら夏はカリフォルニアにいる妹の家に数ヶ月滞在するのが普通ですが、今年は足腰を痛めている妹に付き添いヨーロッパでメディカルツーリズムに出かけているのも要因かも知れません。
それでも夜な夜な電話をし、日中忙しそうにテキストを打ったり、ボイスメッセージを送りあっています。
これがアラブでは普通と言っても過言ではないはずです。
日本育ちのビートルマニアの目にいつも驚きを与えてくれるアラブ人夫との日常はこれからも続きます。
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外部リンクThe Prophet’s Mercy Towards the Elderly