クウェートの裁判所で夫と結婚の手続きをしていた日、わたしはオフィス一室で事務手続きの流れで裁判官に導かれながらイスラム教に改宗しました。
SNSでよく見かけるモスクで大勢のイスラム教徒に囲まれて感動的にシャハーダをいう感じではなかったですが、それがわたしの改宗でした。法務省で事務手続き中だったのでヒジャーブも着けていませんでした。
それから早8年。月日は流れ、わたしは3人の母になりました。わたしが夫と結婚してから姑の家で同居し始める前に、姑は毎年恒例のウムラという小巡礼に行っており、サウジアラビのお土産に礼拝用のガウンと礼拝マット、香水等をプレゼントしてくれました。これがわたしが初めて自分のものとして使用した礼拝セットでした。
その時の初々しい気持ちは今でも忘れません。
そして今回、初めて自分で礼拝セットを購入しました。「せっかくお祈りするなら、可愛くて、毎日着たくなるようなガウンがいい。良い香りを着けてお祈りしたい。気分によってガウンを替えたい!」とどんどん欲が出てきたためです。
思い立ったらすぐ行動するタイプのわたしは早速インスタで「ソウブ サラート(礼拝用ガウン)」で検索しました。ソウブはガウンのことで複数形でアスワーブとも言います。サラートは礼拝という意味です。
物色していくと、好みの色とデザインのものを見つけました。それをワッツアップの番号に問い合わせて、2日後に宅配されました。値段は送料込みで18KD(1万円弱)でした。円安なので高く感じますが、クウェートで18KDというと、そこまで高い買い物という感じはしません。

athwab_style_kw8のインスタアカウント
付属品は礼拝用マットとクルアーン用のブックカバー、礼拝用ガウンの3点です。
今回選んだガウンはヒジャーブタイプのもので、化粧をしている時とかに重宝しそうですが、スッピン時にパパッと着けられるゴムバンドタイプのものも買うことにしました。


そこで翌日にスークサルミーヤという屋内ショッピングセンターに行って、またまたピンク系のゴムタイプのソウブサラートを買いました。値段は3.5KD(2,000円弱)でした。

スークで買う方が断然安いですが、多様なデザインを見つけたい場合はインスタの方が探しやすいです。
また、この他にお祈り用として追加で買われるのがミスバハ(99の数珠玉)であったり、男女兼用のロングスカートだったり、ボホールと呼ばれるお香だったりします。
ミスバハ(クウェート方言で数珠玉のこと)はお祈りの後にタスビーフ(スブハーナッラー)、タハミード(アルハムドゥリッラー)、タハリール(アッラーフアクバル)と唱えることが推奨されているのでその際に使ったり、アッラーの99の名前を唱える際に使用したりされます。

ロングスカートは、女性だとヒジャーブ着用者で上半身の服装は問題ないけど、下半身に身体のラインが出るパンツを履いていたり、お尻がすっぽり隠れる服装でない時に使用したり、また男性も半ズボンを履いていて膝が見えている状態の時に履いたりします。
*男性は膝下まで隠れるズボンを着用しないと礼拝できません。

ボホールは、中東住まいの方ならご存知かもしれませんが、アラブ人の生活になくてはならない生活必需品の一つなので、礼拝用ガウンに限らず、普段着のアバヤやヒジャーブなどの民族衣装、食後の部屋の匂い消し、結婚式のウェディングドレスなど何から何までに香りを付けて楽しみます。もちろん、礼拝用のガウンにもたっぷりとお香を焚いて毎回良い香りと共に礼拝をします。


今回、礼拝セットを自分で買い揃えてみて感じたのは、礼拝するのが少し楽しくなったということです。礼拝は確かにイスラム教徒にとって義務ですが、外側から攻めていくのもありじゃないかなと思います。
女性は可愛いものだったり、癒されるものが大好きなので毎日の礼拝も自分好みにアレンジしてみるのも良い気分転換になったりするのかな〜と考える土曜の午後でした。