今日はちょっとしたクウェートの建造物に関するおはなしをします。
クウェートに数年以上住んでいる方ならご存知かと思いますが、クウェートシティのシャルク地区には以前、AlSawaberと呼ばれるクウェートでは有名な複合施設が建っていました。
目を見張るような迫力と存在感で、一度見ると記憶に残る建物でした。
クウェートを代表するランドマークなだけに、数々の抗議活動が行われていたようですが、その願いむなしく、解体作業は連日連夜続けられ、今では影も形もありません。
わたしは、このぞくぞくする様な古い外観の建物を近所のガソリンスタンドから見るのが好きでした。
一部は火災の後があったり、一部はサロンだったりとたくさんのストーリーを秘めたこの建物のことをもっと知りたかった矢先の建て壊しだっただけに、残念でなりませんでした。
(写真は解体約1か月前に撮影したもの)
この1981年に完成した複合施設はカナダ人建築士などによって設計され、当時クウェート初の密集型複合施設でした。
33棟の建物の中には520のアパートが入っていたそうです。
夫に聞くと、当時はクウェート人の未亡人などのためのアパートがあった記憶があるとのことでした。
火災や老朽化を乗り越えて今年まで耐え抜き、多くのテナントが立ち去る中、留まる住民も最後までいたと聞きます。
建物周辺には、若者が集まるカフェ街や、大きなモスクもあります。
今後あの更地に何が建つのかはわかりませんが、あそこを通る度にAlSawaberのことを思い出し、懐かしむことでしょう。
(解体中のAlSawaber)