マルハバン!
突然ですが、質問です。
あなたは一夫多妻制度を受け入れられますか?
イスラム教徒であれば、一度や二度は考えたことがあるのではないでしょうか。
恐らく多くの方がご存じの通り、イスラム教では一夫多妻を合法としています。
それは、はるか昔に戦争などで夫に先立たれた未亡人を救済するための措置であったり、それが社会や個人にもたらす福利ゆえであったりと解釈されています。
さらに一夫多妻だから何も考えずに何人と結婚していいわけではなくて、どのように女性と向き合い、女性の権利を保護すべきかもコーランに記されています。
金銭的な扶養や、夜を共に過ごすことなどの表面的・物質的なことにおいては妻同士公正でなければならないと記されていますが、「愛情」における公正さは義務ではありません。
というのも、それは彼(夫)の力の及ぶところではないからです。
『また、あなた方は決して、妻たちを公正に扱うことができない。たとえそうしようと躍起になっても、である。』(クルアーン:129)
参照:『図解 新改宗者のためのガイドブック』
なので、イスラムでは妻は4人までと決められていますが、決してそれを推奨しているわけではなくて、むしろ「大変だからやめときなさい。一人にしておきなさい」と諭しているように受け止めれます。
さて、ここからはビートルマニアのパーソナルな話です。
わたしは結婚を機にイスラム教に改宗しましたが、改宗はかなりハードな選択でした。
改宗する何年も前からイスラムのことは興味があったので自分で学んでいましたが、まさか改宗しないといけなくなる日が来るとは思っていませんでした。
自分から進んで改宗したい人と、「改宗しなければならない人」ではやはり温度差はあります。
それで改宗に当たり、一番気になったのが「ヒジャーブ」の件と「一夫多妻」のことでした。
結婚の話を進める前に、未来の夫になるかもしれない人に「わたしは一夫多妻はムリよ」と伝えました。
ついでに無知ゆえに「なんで男だけが許されてるの?」なんて聞いていました。
当時のことをはっきりとは覚えていませんが、わたしは人生一大事の話をしているのに夫は何にも気にしていない様子でした。
心配になったので、クウェート人の仲のいい友達に「もし将来結婚するときに一夫多妻OKなの?もし夫が他の人と結婚したらどうするの?」と相談したのを覚えています(笑)
そしたら友人は「一夫多妻のことを心配して結婚する人なんていないわよ」と言って笑われました。
クウェートでは、夫が二人以上の人と結婚するのは極稀で心配に値しないようです。
とは言え一夫多妻は伝統的なアラブの家庭ではいまだに存在していますし、イスラムで合法だと認められている以上、逆らうことはできません。
こちらではお見合い結婚が主流なので、最初の妻とは10代で結婚して、2番目は自分の選んだ本命となんてこともあると聞いたことがあります。
夫は、見る限り他の女性と結婚する気配はゼロです。
そんな心配をしたことは一度もありません。
でも、夫はこんな人です↓
「イスラム教徒である以上、アッラーの教えを信じる以上、一夫多妻を批判してはいけないよ」
わたしは彼の言っていることは正しいと思いました。
実際にやられたら困るけど、彼のイスラムに向き合う姿勢がとても好感的でした。
最後に、イスラムでは妻たちを公正に扱えない者は一夫多妻を禁じられていますし、破れば重大な罪になります。
なので、恐れるのなら「愛する妻は一人にしておきなさい」と諭しています。
多くを誤解されがちなイスラム教の一夫多妻ですが、蓋を開けてみればほとんどの場合心配することではないと知りました。
ビートルマニアはイスラム初心者で知らないことも間違いもあるかと思います。
もっとイスラム教のことを知りたい方は関連書籍を読んでみてください。
こちらの記事も合わせてどうぞ:イスラム教に改宗したらまず読む本 新改宗者のためのガイドブック
外部リンク:イスラームにおける一夫多妻