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イスラム教の税金?税金のない国で赤ちゃんも支払うイスラムのザカートとは

筆者の住むクウェートには、多くの国で存在する基本的な税金が存在しません。
日本のように、所得税はもちろん、住民税、消費税、固定資産税なども払う必要はないです。
しかし、唯一年に一度や二度、宗教的な税を納める時期があります。それがこのラマダンの時期です。

イスラムの喜捨とは?


イスラム教には5つの大きな教えがあり、そのうちの一つが「喜捨」という貧しい人々に余裕のある人が財産の一部を与える行為です。
喜捨にはザカート(義務)サダカ(善意)があります。
サダカは日常的に行われ、例えば低賃金労働者に多めにチップをあげたり、貧困家庭に食糧や衣類を提供したりして施されます。
一方のザカートは、すべての支払い能力のあるムスリムに課された一種の税のようなものです。
ザカートには2種類あって、一つは「ザカートフィトル」、もう一つは「ザカートマル」というものです。

ザカートフィトゥルとは?


ザカートフィトゥルは、ラマダン月に支払う義務があり、クウェートの場合は一人につき1KD(500円相当)もしくは主食であるお米2.5kgを買って納めると定められています。

我が家の場合ですと、家族が5人なので5KDですが、これは子どももお年寄りも、お腹の赤ちゃんもカウントされます。

また、妊娠や病気など訳あって断食をしていない場合、そしてその後も断食をする予定がない場合、1日につき1KD(500円相当)を支払う義務があります。
ラマダン月1ヶ月間断食をしていないとなると、30KDを払うことになります。

ザカートマルとは?


ザカートマルは、一年に一度、所有する財産の2.5%を貧しい人に喜捨するものです。
多くの人は、ラマダン明けのイードのタイミングで自分の所有する財産の2.5%をおさめます。

例えば、家畜を所有していたり、金を所有していたり、給料、不動産など財産となるものは全てカウントされます。
ただし、生活に必要な家や車はどんなに高級なものでもザカートの対象にはなりません。

単純に給料だけで考えると、毎月の給料が200万弱の人の場合、年間2,300万円の2.5%は60万円の支払い義務があることになります。それに加えてその他の所有する財産の価値をイスラムで決められた計算法で自分で見積もって、合計金額を納めます。

これは産油国には大勢いるであろうスーパーリッチな人も、ドライバーやメイドなど一般的に国内では低賃金労働者と言われる人々も同じです。

誰がどのように税金を管理するの?


このザカートは、国内にいくつもあるイスラム協会に物品もしくは現金/オンライン決済で支払い、協会が貧しい人々に分配します。
誰がいくら支払ったという登録などは一切なく、全ては全知全能のアッラーとイスラム教徒個人の契約となります。
高額納税者番付などという話題もなければ、税金滞納者を国税局が問い詰めるなんてこともありません。全てはアッラーとの個人的なやり取りのみです。

いかがでしたか?
イスラム教徒に喜捨イコール「税金」というような考え方はなく、アッラーからの教えで、貧しい同胞をみんなで助け合う精神だと考えられているように思います。
なので、他者を助けられる自分の財産はアッラーからの恵みそのものであり、それをコミュニテイに還元するのは当然のことと考えられています。

その額や、未納滞納をジャッジする者は全知全能のアッラー以外には誰もおらず、全ては信仰という名の下に神と結ばれた契り下で教徒自身が行うものです。

この様な考えの世界があることを発見し、大変興味深いと思い今回調べてみました。

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