マルハバン!
みなさんは、ロザリオ(クウェート方言でMisbah)をご存じですか?
ケンブリッジ辞典によると、ロザリオとはカトリックや仏教でお祈りを数えるために使われた数珠玉の輪っかとあります。
日本でもお坊さんがお祈りの時に使用していますよね。
このローザリーはクウェートでは「ミスバハ」と呼ばれ、クウェート人男性がポケットに入れて持ち歩いたり、親指で玉を数えながら話をしていたりと街中でよく見かけます。
でも持ち歩くのは男性だけです。
今日はこのミスバハについて書かれた面白い記事をクウェートタイムズで見かけたのでご紹介します。
(以下記事の訳)
クウェートの方言でミスバハとして知られるロザリオは、クウェートの男性がディッシュダーシャと呼ばれる伝統衣装にエレガントさを加えるために持ち歩くことが多いユニークなアクセサリーです。
クウェートのミスバハは、素材と製造の品質によって、さまざまな種類、形、価格があります。
上記のクウェートタイムズの記事では、 クウェートの男性ファッションを詳しく見るために、3 人のクウェートの男性にインタビューし、ミスバハが特別な理由についてクウェート人男性の話を聞きました。
クウェートの男性はどのように伝統的な服装 (ディシュダーシャとグトラとイーガル) を装飾しますか?

地元の中年男性アブ・アブドゥラは、クウェート・タイムズに、クウェート文化におけるミスバハは、着る服のアクセサリーであり、お洒落な装いの一部と見なされていると語りました。
男性はディッシュダーシャとグトラ(頭から被る白い布)のクウェート式正装にイーガル(グトラの上に乗せる黒い輪っか)を身に着けるほか、胸ポケットに万年筆を入れたり、袖のボタンをカフスボタン(バズマット)に変えたり、腕時計をしたりと、ステータスと洗練さを示すアクセサリーを追加します。
美しく貴重なビーズで作られたミスバハなどのこれらのアクセサリーは通常、特別な会議やイベントで着用されます。
しかし、ミスバハは、使用されるその貴重な素材や目的よりも特別な価値を持っています。これは、ファッションや伝統だけでなく、宗教や心理学にも根ざしており、ミスバハで病気を治すことができると信じている人もいます。
したがって、ミスバハは単なるアクセサリーではありません。
アブ・アブドゥラは、「ミズバハを持ち歩くことは伝統的な社会的慣習として受け継がれている。今日、若者やティーンエイジャーがクウェート人としての典型的な外見を示すためにそれを持っている」と述べた。
一部の男性にとっては、ミスバハを持ち歩くことは習慣となっています。
「彼らは落ち着くため、娯楽のため、あるいは考え事をしながらいつも数珠で遊んでいるので、親指を使って数珠を動かすのは日常的に思考を練ったり集中したりするときのマストアイテムになっているのです。
また、一部の男性は、ミスバハを持ち歩くことで男性的なアイデンティティーが増すと考えています。
ミスバハは男性だけが着用するのか?
男性と女性の両方がミスバハを使用しています。
中年の地元住民である Khaled さんは、クウェート タイムズに次のように語っています。
「女性は祈りのためにミスバハを使用ていましたが、公の場では使用しませんでした。 しかし、今日ではそうではなく、女性は手首にブレスレットとして着用し始めています。」
ミスバを持ち歩く若い男性、十代の若者たち
18 歳のクウェート人の Abdulrahman は、正式なイベントやディッシュダーシャを身に着けているときだけでなく、普段からミズバハを持ち歩いていると述べました。
「私のミスバハはカーラブ(数珠を作るのに使われる宝石)です。 ショッピングモールに行く時もカジュアルな服装の時も持ち歩いています。
ミスバハを使うととてもリラックスでき、精神的な健康にも良いです」と彼は言いました。
他の多くの人と同じように、アブドゥルラフマンはミスバハの使用の背後にある目的は、アクセサリーを付けることだけではなく、健康を改善することでもあると考えています。
いかがでしたか?
一度でもアラブに行ったことがある人なら見かけたことがあるかもしれませんが、このミスバハと呼ばれる数珠玉は地元の男性たちに人気です。
とはいっても、すべてのクウェート人ではありません。夫は持っていませんし(笑)
昔は年配の女性たちもお祈りの時に使用したと聞いています。
夫の亡きおばあちゃんもミスバハも使っていました。今では子どもたちの遊び道具になってしまっていますが。
素材によって値段はピンキリなのでしょうが、一般的には4万円位はざらにすると思います。
もちろん格安なものもあります。
記事に書いてあった「女性がブレスレットとして使用しだした」というのは実感としてはあまり見かけたことがないというのが正直なところです。
こちらの女性は、数珠玉よりもカルティエとかVan Cleef & Arpelsとかゴールドアクセサリーの方を好んでいるように思います。
とにもかくにも、ミスバハがクウェート社会でこのように受け止められていた存在だったなんて知りもしなかったので、いい発見となりました。
街中で男性のファッションチェックをする際に少し注目してみてはいかがでしょうか。
きっとクウェート生活が少し楽しくなると思いますよ(笑)
クウェートタイムズの本文を読みたい方はこちらをどうぞ:
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