先月、我が家にはスリランカから新しいメイドがやってきました。
彼女は20代後半で、旦那と2歳の娘を残してクウェートに出稼ぎに来ました。
家事労働者として働くのは初めてです。
以前2年間ほどメレーシアの工場に出稼ぎに出たことがあると言っていましたが、それ以外は家庭の外で働いたことがありません。
通常、メイドを雇う場合はクウェートにあるメイドオフィスと呼ばれる仲介業者を探し、各オフィスにいる候補者を国籍や経験値、役職等を考慮してして選考します。
我が家は今回、先任のフィリピン人が本帰国したので新しい人を探していたのですが、フィリピンは現在クウェートにメイドを派遣停止措置を一時的に取っているので(何回目かの)フィリピン人は除外され、残る候補はスリランカ人かインド人、ネパール人となりました。
個人的にはネパール人も良さそうだなと思ったのですが、オフィスから送られてきたスリランカ人女性の自己紹介動画が好印象だったので彼女に仕事を依頼する事にしました。
ビデオでは、リズムよく英語を話していたので多少は期待をしていましたが、実際に話してみると彼女は今までに出会ったどのメイドよりも英語が話せませんでした。
英会話力でいうとほぼゼロに近く、シャワー、おやつ、レンジで温めるなどの基礎的なこともコミュニケーションが取れず、モヤモヤしたのは言うまでもありません。
だって、英語教える時間なんてないですよ?わたし。
そんなことを夫に愚痴ると夫は、「彼女は良い。時間はかかるけど言葉は覚える。一番大切なのは言葉じゃないよ」的なことを言ってわたしをなだめようとします。
1週間、2週間と過ぎていくうちに、わたしはある変化に気がつきました。
確かに英語を話さないスリランカ人の新入りメイドは意思疎通で苦労するけど、毎日のルーティーンワークなんて限られてるからそこまで言葉は必要ではないし、彼女はものすごく働き者で、朝の出勤時間も言われている時間よりも数十分早くやってきます。そして理解できないことは何度もわたしに確認してきます。
声は小さく、子どもたちにカタコトの英語で話しかけ、大きな声を出したり変なことを子どもに言ったりしないのでそこは安心です。
そして彼女の良さは、「どんな時も笑顔になれること」。
これはわたしも見習いたいと思うほど、徹底されています。朝から夜まで誰に対しても微笑みを絶やさず、すごいなと思います。常に笑顔でいられる人は、周りから攻撃されにくいだけでなく、人当たりがよく、人間関係で損することが少ないんじゃないかな、なんて思ったりもします。本当に見習いたい。👏👏👏
そんな彼女ですが、ある時わたしはほんの好奇心で聞いてみました。
「あなたの家に電子レンジはあるの?」するとメイドは「ないです」と答えました。
驚きましたが、過去にもこういう人はいたのでそんなものかと思ったのですが、彼女は続けます。
辺りを見渡して彼女は「家には電子レンジも冷蔵庫もトースターも掃除機もありません」と言ったのです。
冷蔵庫がないと聞いたのは衝撃的でした。「じゃあどうやって食品を保存するの?」と聞いても英語力の問題で彼女は答えられません。
もしかしたらテレビも洗濯機もない生活なのかな?なんて考えて、以前クウェート人のいとこが「多くのメイドは農村の貧しい村から出稼ぎに来てるのよ。言葉もゆっくり何十にも分かりやすく言わないと伝わらないし、常識なんて全く違うの」と言ってたのを思い出しました。
わたしの感覚の清潔感と彼女の育った環境での清潔感は違って当然です。なので仕事を指示する時は、きっと分かるでしょうと思い込まずに一からやることをハッキリと示さなければ、「なんでこんなこともしてないの?」とはなりません。
初めて聞いた彼女のバックグラウンドに衝撃を受けましたが、彼女はメイドとしての仕事に責任を持ち毎日よく働いてくれているので私たち家族はとても感謝しています。
彼女と彼女の家族が「この家で働けて良かった」と思ってくれるように報酬と恩返しをしていくのが雇用主の務めです。
これからもいい関係を維持出来ますように。
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