筆者は、大学4年生の時にクウェート政府奨学生としてクウェート大学附属語学センターの初級クラスで一年弱の間アラビア語を学ばせてもらいました。その経験をもとにこの記事では現在奨学金を探されている方や海外でアラビア語を勉強したい方へ向けて「私がクウェート政府奨学金を選んだ理由」、「応募までの準備」、「この奨学金のメリット・デメリット」をご紹介します。
ℹ️2024年−2025年の募集も始まっています。興味のある方は、在クウェート国日本大使館のHPをチェックしてみて下さい。
クウェート政府奨学金を選んだ理由
当時、とにかく「アラブ圏でアラビア語を勉強したい」という気持ちが強かったので、UAEのドバイやシャルジャ、ヨルダン大学などへ大学の見学に行きました。しかし、どの大学も寮費や学費、生活費などを考えると厳しかったです。
そこで、ネットで奨学金を探すとエジプトの奨学金とクウェート政府奨学金を見つけました。 サウジアラビアなどの湾岸アラブ諸国に興味があったので、クウェート奨学金は魅力的な印象だったのを覚えています。そこで奨学金をもらってアラビア語を勉強できるクウェート政府奨学金に応募しようと決めました。
応募までの準備
応募までの準備で特に手こずったことを挙げます。
1つ目は、大学教授からの英文推薦状2通です。当時わたしは、クウェート留学前にアメリカの大学に1年ほど単位交換制の留学をしていました。アメリカの大学では「Islam History」という授業や「International Business」という授業を選択して取っていました。なので、これは絶好のチャンスだと思いアメリカの教授に推薦状作成をお願いしました。
教授に推薦状をお願いするためには、授業やその前後を通して教授と良好な関係を構築することが大事です。自分が何をめざしているのか、夢や希望は何か、どういったことに関心があり、今後どうしたいかなどを分かってもらったうえで、奨学金の趣旨を説明し、良い推薦書を書いてもらえるようにお願いする必要がありました。
日本の大学の教授は、英文で推薦状を書くことはもとより日本語で書くのでさえあまり乗り気でない印象を持っていましたが、アメリカでは教授自らが「推薦状書いてあげるからどんどん言ってきてね」と授業中に公言する教授もいました。
教授によって違うとは思いますが、「生徒の挑戦や頑張りに喜んで協力するよ」と言ってくれる先生は生徒にとって心強いなと思いました。言うまでもなく、わたしが合格できたのも、先生の推薦状がわたしの身の丈を超えた素晴らしいものだったからです。その教授とは今でも連絡を取り続けています。
手こずった準備2つ目は 、日本でのパスポート申請でした。応募条件には、「2年間の有効期限が残っているもの」とあります。当時のわたしのパスポートは5年タイプのもので、有効期限が1年と2ヶ月ほどしか残っていませんでした。
早めの準備早めの準備!と思い帰国後すぐにパスポートセンターに確認したところ、「パスポート申請時に、留学がまだ決定していない段階でのパスポートの申請は不可能」と言われました。
私の場合、有効期限が1年以上であるため、通常の更新手続きも取れずこのような状況になってしまいました。そんな状況なので、今年度の奨学金に応募したいけれどパスポートの更新ができないため、出願ができない状況になりました。
「留学が決定すれば、約1週間でパスポートの更新が可能ですので、出願の段階では現パスポートで応募させてください。」とわたしは担当の方にお願いしましたが、ダメでした。
しかーし!わたしのこの心配は、まだ奨学金の応募がかかる前の事でした。
何度か足繁く通った結果パスポートセンターからは、「応募が開始してから、応募要項のコピーを持ってきてください。奨学金の確認が取れましたら、パスポートの申請が可能です」と言われました。
奨学金応募開始直後すぐにパスポート申請をして、1週間ほどでパスポートは完成しました。取りあえず、一安心。それから応募できました。
クウェート奨学金のメリット・デメリット
メリット
1、奨学金の待遇がいい
2、近隣諸国に週末にでも旅行に行ける
3、複数にいる寮母さんが24時間体制でお世話をしてくれる、安心
4、日本大使館のイベントのお手伝いや日本人会の行事に参加できる
5、”日本人留学生5人” としてお呼ばれする機会に恵まれる
6、世界中から集まる留学生と寝食を共にしながら勉強できる
7、前年度の先輩方が留学報告書を準備してくれているので手続きなどで安心
8、先輩方の残した家財道具や食器類 を受け継いで使える
9、アラビア語、英語、韓国語、スペイン語など、学ぼうと思えば何語でも学べる環境(友達などから)
10、クウェート、湾岸の歴史や文化、湾岸戦争のことなどを学べる
デメリット
1、 女子は門限が9時半
2、寮でのご飯はバラエティーに乏しく味に飽きる
3、クウェート人は英語をよく話す (アラビア語を使わなくても生活できる)
4、学校では標準アラビア語を勉強するが、周りのクウェート人が話すのはクウェート方言で、標準語で話すのはあまり好きでない感じの印象
5、物価が高い
6、交通マナーが最悪 (留学中1年で2回事故に遭いました)
7、ナンパや茶化しが 多い+凝視される(疲弊しました)
8、寮のネット環境が悪い(場所による)
メリット・ デメリット個々それぞれあるとは思いますが、わたしは1年間クウェートに留学して良かったと思います。多国籍なクラスメート、スペイン人の親友、イベントなどで出会った方々、大使館の関係者の方々、日本人会の方々、大学の先生たち、 アメリカから来られていた日本人教授などたくさんの出会いがあり、とても刺激的で、どの出会いも人生の宝物になりました。
また、クウェート市内にあるレストラン「慶」のオーナーの方は日本人で、常に日本食を恋しがっているわたしたち留学生のために特別弁当メニューを作ってくださり毎月慶レストランでおいしい日本食をご馳走になりました。
物価の高いクウェートでなかなか外食に出かけられない中、慶レストランでの月1のお弁当は 涙が出るほど嬉しかったのを覚えています。
↓留学生特別メニュー弁当↓

色々な方々に支えていただいて、 留学を無事終えられたんだな〜とこれを書いていると改めて実感しています。感謝です。
他にもクウェート生活情報を本ブログでたくさん紹介しているので、クウェートのことが気になった方は他の記事も読んでみてください。