イスラム教徒はアッサラーム・アライクムと1日に何十回と口にするほど、ムスリムの間ではあいさつの定型文と言っても過言ではないでしょう。
直訳すると、「あなた方の上に平安がありますように」という意味になります。
アラビア語では「السلام عليكم」と書き、英語ではPeace be upon youと訳されます。
アッサラーム・アライクムはいつ使う?
イスラム教国に10年ほど住む筆者の感覚で言うと、アッサラーム・アライクムは「こんにちは」であったり、「こんばんは」であったり朝イチの挨拶であったりと昼夜を問わず一日中使える挨拶なのでわざわざアラビア語の発音の難しい「サバーハル・ヘイル」(おはよう)とか「サバーハル・ヌール」(こんばんわ)などのように時間によって言い換える必要がないのでとても便利で、普段は姑への毎日の挨拶やスーパーの店員への挨拶、「すみません」と声をかける時など日常的に使っています。
また、エレベーターに乗り合わせるときに、イスラム教徒は男女問わず「アッサラーム・アライクム」と挨拶をして乗りますし、銀行や保育園など日常的な場所もアッサラーム・アライクムとその場に居るすべての人に向けて挨拶をします。
そしてその場に居るすべての人が「アッサラーム・アライクム」と聞こえれば相手が自分に言ってようが言ってまいが関係なく返事をします。イスラム教ではその様に教えられています。
家庭内でのアッサラーム・アライクム
家庭内でアッサラーム・アライクムを一番耳にするのは玄関先で、外から家に帰った時に「ただいま〜」の様な感覚でアッサラーム・アライクムと大きな声で言って家中の人に帰宅を知らせます。
また、男性陣は家にヒジャーブを被っている親族がいる場合に大きな声で「アッサラーム・アライクム」と言うことで「今から入るよ〜」という掛け声にもなります。
アッサラーム・アライクムの意訳
・おはようございます
・こんにちは
・こんばんは
・ただいま
・今から入るよ〜
・ご機嫌よう
など様々で、相手の安泰を思いやる要素がアラビア語の「おはよう」という挨拶文より強く込められているのでイスラム教徒は好んで使う傾向があると言えます。
むしろ、アラビア語話者のイスラム教徒と暮らして感じるのは彼らは「サバーハル・ヘイル(おはよう)」とは言わずに「アッサラーム・アライクム」とばかり口にしているように思います。
アッサラーム・アライクムの返事
アッサラーム・アライクムの返事は「ワ・アライクム・アッサラーム」です。
直訳すると「あなた方の上にも平安がありますように」となります。
ワはアラビア語でAndという意味なのであなた方の上に「も」というわけです。
どういう風に発音されるか
イスラム教徒がアッサラーム・アライクムという時、早口だと「サラーム・アライクム」という風に聞こえることがあります。中には「サラーム」とだけいう人もいます。
イスラム教徒の中には、「サラーム」と簡素化された挨拶を好まない人も一定数いるので、イスラム教徒に挨拶をする機会があれば「アッサラーム・アライクム」と目を見て笑顔でいうと好感度は爆上がり間違い無しです。
ムスリムは、「アッサラーム・アライクム」と挨拶されれば相手が誰であろうとほぼ必ず返事をします。
イスラム諸国への訪問者やムスリムの友人同僚がいる方はどうぞアッサラーム・アライクムと挨拶をして、ムスリムと良好な関係を築いてみてください。
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