クウェートに住むって、実際どんな感じ?
日本とは文化も気候も大きく異なる中東のクウェート国。私はここで家族とともに10年以上暮らしており、日々の生活の中で感じること、経験してきたことをもとに、「治安」「物価」「教育」「日本とのアクセス」などを分かりやすくご紹介します。
これからクウェートに住む予定の方、日本との違いを知りたい方、ぜひ参考にしてみてください。

治安:意外と安全。でも文化的配慮は必須
クウェートは中東に位置しますが、政治的にも比較的安定しており、治安面で不安を感じることは少ない国です。外務省の危険情報では、クウェート全土が危険1に分類されています。
夜に女性が一人でタクシーに乗ることもありますし、ショッピングモールや公共施設も整備されています。ただし、日本とは異なる文化・宗教観があるため、男女ともに服装や立ち居振る舞いに注意が必要です。
例えば、いくら暑くても下着のような薄着で出歩くと軽蔑の対象となり得ますし、男性でもタイトなショートパンツを履いていると保守的な人々から勘違いされることもあり得ます。実際、モスクなどの宗教施設では男性も膝を出した格好では入れません。
女性の服装マナー
- 肌の露出が多い服(肩出し、ショートパンツなど)は極力避ける
- モスクや宗教行事の場ではスカーフや長袖を着用
- 公共の場でのスキンシップは控えるのが基本
例えば、同じイスラム圏でもドバイでは欧米文化との融合が進んでおり、より自由な服装や生活が可能ですが、クウェートでは伝統的なイスラムの価値観が根強く残っており、保守的な雰囲気が残っています。
例えば、若者がダメージジーンズを買っても下に何かパンツを履いて、肌が直接露出しないように配慮したり、体型がすっぽりカバーされてお尻が隠れる服装を好む女性が多かったりします。
物価:全体的に高め。外食や輸入品は特に割高
クウェートは石油輸出国で物資の多くを輸入に頼っているため、物価は高いと感じることが多いです。
生活費の目安(家族4人)
- 食費・雑費・生活用品など:約400~500クウェートディナール(約25万円)/月
- 外食(日本食レストラン「Amimoto」での夕食):家族4人で約40〜50KD(約25,000円)
- ガソリンは安価:1リットル約0.11KD(約55円)
スターバックス価格比較
- 日本(トールサイズ・アイスラテ):約500円
- クウェート:約1.8KD(約900円)
特に日本製品や日本食材は高額で、味噌1パックが約5~7KD(2,500円前後)することもあります。
教育:選択肢が多く、国際色豊か
クウェートには多くのインターナショナルスクールがあり、教育レベルも高いです。各国のカリキュラムを採用した学校が存在し、教育に対する意識も非常に高いです。
主なインターナショナルスクール
学校名 | カリキュラム | 教員・生徒の国籍 | 備考 |
---|---|---|---|
American United School (AUS) | アメリカ式 | 多国籍(欧米・アラブなど) | 敷地が広く最新設備が整っており、日本人にも人気。小1の年間学費:約3,000〜3,500KD(約150万円) |
The British School of Kuwait (BSK) | イギリス式 | イギリス系教師が多数 | 評価が高く、厳格な教育方針。学費は比較的高め。 |
American Creativity Academy (ACA) | アメリカ式(イスラム色あり) | アラブ系が中心 | 宗教教育が含まれる。イスラム文化に理解ある家庭に適している。 |
Kuwait English School (KES) | イギリス式+IB(国際バカロレア) | 多国籍 | IB認定校。進学実績が高く、大学進学を見据えた教育を重視。 |
教員・生徒の国籍は非常に多様で、アメリカ人・イギリス人・インド人・レバノン人などが主ですが、学校により特色があります。学校によっては、アラビア語やイスラム学の授業が必修となる場合もあります。
日本とのアクセス:航空会社とフライト事情
クウェートと日本を結ぶ直行便は現在のところありませんが、乗り継ぎ便を利用することで問題なく移動可能です。主に利用される航空会社は以下の通りです。
主な航空会社と経由地
- エミレーツ航空(ドバイ経由)
- カタール航空(ドーハ経由)
- トルコ航空(イスタンブール経由)
- エティハド航空(アブダビ経由)
航空券の相場(往復・エコノミー)
- 閑散期(6月~9月を除く):約12万~15万円
- 繁忙期(夏休み・年末年始):約18万~25万円
クウェート発の航空券は比較的高額になる傾向があるため、早めの予約や、時期をずらした渡航が費用を抑えるポイントです。
まとめ:住みやすさと文化的配慮のバランスがカギ
クウェートは治安が安定しており、教育環境も整っているため、家族での移住も十分可能です。ただし、日本と比べると物価は高く、宗教・文化に対する理解と配慮が不可欠です。
クウェート生活で一番苦労するのは、お酒が売られていないことと、夏の長さと暑さです。お酒の面では、週末にドバイなどで息抜きをする人もいますし、クウェート滞在中はノンアル飲料でやり過ごす人もいます。
*アジアンスーパーで日本のノンアル飲料は売られています。
夏の暑さは慣れるのに時間がかかりますが、クウェートはデリバリーが非常に発達している上に、屋内駐車場や屋内プレイエリアも多いので言うほど困りません。
困るのは夏に外で遊べない子どもたちと子育て世代ですが、多くの人は夏はバカンスに出かけるのでそれもなんとかなるでしょう。
ドバイやカタールと比較すると観光的な派手さは少ないものの、静かに、地元の人々の温かさに触れながら生活するには魅力的な国でもあります。
クウェートはドバイにはないアラブっぽさがまだ濃く残っているので、アラブ文化に浸るのもいいですね。
また、現地駐在員の方からたまに聞くのは、クウェートはドバイや東南アジアなどの他国に比べて娯楽は少ないものの、僻地手当のようなものが会社から支給され、外出も少ないので貯金がよくできると聞いたことがあります。
ハマる人はすごくハマってしまうのがクウェートという魅力たっぷりなアラブの国です。
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