「クウェートでは体外受精(IVF)で赤ちゃんの性別を選べるって本当?」

そんな話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。

中東や湾岸諸国については、さまざまな情報が飛び交っていますが、実際のところはどうなのでしょうか。

今回は、クウェートの体外受精事情について、世界の他の国との比較や、文化的背景、イスラムとの関係も含めて、できるだけ中立的にご紹介します。


結論:クウェートでは性別選択を伴う体外受精は可能

結論からいうと、

クウェートでは、体外受精(IVF)と着床前遺伝学的検査(PGT)を利用した性別選択を行っている民間クリニックが存在します。

受精卵を子宮に戻す前に染色体を調べ、

  • 男の子(XY)
  • 女の子(XX)

を判別し、希望する性別の胚を移植する方法です。

ただし、すべての病院で行われているわけではなく、費用も高額です。


世界ではどうなの?

国によって対応は大きく異なります。

性別選択
日本医学的理由以外は原則認められていない
イギリス遺伝病予防目的のみ可
カナダ非医療目的は禁止
ドイツ非常に厳しい規制
オーストラリア州によって異なる
アメリカ民間クリニックで広く実施
UAE実施されている
クウェート実施しているクリニックあり

つまり、

クウェートだけが特別というわけではなく、アメリカや一部の中東諸国でも行われています。


イスラム教ではどう考えられている?

イスラム教の立場も一枚岩ではありません。

一般的に、

体外受精そのもの

夫婦間の精子と卵子を用いるのであれば、多くのイスラム法学者は認めています。

一方で、

  • 第三者の精子提供
  • 卵子提供
  • 代理母

については、血統を重視する観点から認めないという考え方が主流です。


性別選択について

学者によって意見が分かれています。

  • 遺伝病を避ける目的なら認める
  • 家族構成のバランスを考慮した限定的な利用を認める
  • 非医療目的での利用には慎重な立場を取る

など、さまざまです。

そのため、

「イスラムだから絶対に禁止」
「イスラムだから自由にできる」

という単純な話ではありません。


クウェートでは体外受精を受ける夫婦は増えている?

近年、湾岸諸国では晩婚化不妊治療への理解の広がりを背景に、体外受精を利用する夫婦は増加傾向にあるといわれています。

クウェートでも、

  • 女性の高学歴化
  • 初婚年齢の上昇
  • 不妊治療技術の進歩
  • 民間クリニックの増加

などにより、以前より体外受精は身近な選択肢になっています。

初婚年齢も上昇傾向

クウェート中央統計局などのデータを見ると、

男性・女性ともに結婚年齢は以前より高くなっており、社会全体として晩婚化が進んでいることがわかります。

その影響もあり、不妊治療や体外受精への需要は湾岸地域全体で拡大しているとされています。

また、中東の生殖医療市場は年々成長しており、GCC(湾岸協力会議)諸国はその中心の一つとなっています。

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男の子を望む文化が強い?

「中東では男の子が好まれる」というイメージを持つ方もいるかもしれません。

確かに昔はその傾向が見られた地域もありました。

しかし、現代のクウェートでは、

「男の子だから、女の子だから」

というより、

「兄弟姉妹のバランスを整えたい」

という理由で性別選択を希望する夫婦も少なくないといわれています。

もちろん、価値観は家庭によってさまざまです。

すべてのクウェート人に当てはまるわけではありません。


日本との違いに驚く日本人も

日本では、

「授かった命を大切にする」

という価値観や倫理的議論から、非医療目的の性別選択は一般的ではありません。

そのため、

「クウェートではそういう選択肢もあるんだ」

と驚く日本人も少なくありません。

一方で、

クウェートの人々にとっては、

「家族の幸せや将来設計を考える中での一つの医療技術」

として受け止められている場合もあります。

価値観は国や文化によって異なります。

だからこそ、

「どちらが正しい」

と決めつけるのではなく、

多様な考え方が存在することを知ることも大切なのかもしれません。


まとめ

クウェートでは、

✅ 体外受精による性別選択を行うクリニックが存在する

✅ 世界的に見ても珍しい制度ではない

✅ イスラム教の中でもさまざまな見解がある

✅ 晩婚化や不妊治療技術の発展により、利用者は増加傾向

✅ 家族構成のバランスを理由に希望する夫婦もいる

という特徴があります。

海外で暮らしていると、

「日本では当たり前だったことが、世界では当たり前ではない」

という場面にたびたび出会います。

クウェートの体外受精事情も、その一つなのかもしれません。



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※本記事は公開情報をもとに執筆しています。医療制度や宗教的見解は変更される場合があります。また、イスラム教徒やクウェート人の価値観は個人や家庭によって異なります。